マラソンパテントグループ【MARA】がマイニングに本気を出し始めた

ビットコインのマイニング企業は、ビットコイン価格が上昇すると大きな恩恵を受ける反面、
会社の業績を見るといまだ不安定であるのが実情です。

こうしたビットコインのマイニング企業を投資先として検討するか迷っている方も多くおられると思います。

今回は大手ビットコインマイニング企業であるマラソンパテントグループ(MARA)の最近の業績やその動向に着目し、
マラソンパテントグループ(MARA)がビットコインのマイニング事業に本腰を入れ始めたことについて紹介したいと思います。

社名変更から見るデジタル企業への転換

マラソンパテントグループ(MARA)はこれまで「マラソンパテントグループ(Marathon Patent Group, Inc)」として、特許の取得・貨幣化・商業化に従事する会社と説明されていました。

ロビン
ロビン

特許関係?という感じでいまいち何をしている企業か分からなかったです・・・

それが、直近2021年3月1日から、
「マラソンデジタルホールディングス(Marathon Digital Holdings, Inc)」に社名を変更しました。

2021年2月26日のプレスリリースで以下のように述べています。

名前の変更は、暗号通貨のマイニングとデジタル資産への投資というコアコンピタンスへの当社の取り組みを反映した、より広範な企業ブランド変更の一部です。ブランド変更の一環として、Marathonは新しい企業Webサイトも構築しており、数週間以内に立ち上げる予定です。

MARA公式HP

はっきりと暗号通貨(ビットコイン)のマイニングを事業活動のコアとすると明言していますね。

ちなみにこちらが新しい企業Webサイトです。かっこいい・・・

https://www.marathondh.com/

また、会社の謳い文句も以下の通り変更されています。

「Marathonは、ブロックチェーンエコシステムとデジタル資産の生成に重点を置いて、暗号通貨をマイニングするデジタル資産テクノロジー企業です。」

このようにビットコインのマイニングに専念する覚悟が見えると思います。

大規模な資金調達からの大型設備投資

ビットコイン価格が爆上がりし始めたタイミングにあたる、2020年第4四半期のマラソンパテントグループ(MARA)の業績が発表されました。

以前こちらの記事で整理したキャッシュフローに第4四半期の数字を追加したのが下のグラフです。

MARA2020キャッシュフロー 単位はUSD百万ドル
キャッシュフロー(CF)

・営業CF:本業で稼げばプラス。本業が赤字ならマイナス。
・投資CF:投資したらマイナス。資産を売却したらプラス。
・財務CF:お金を借りればプラス。お金を返済すればマイナス。
・フリーCF:自由に使えるお金(フリーCF = 営業CF + 投資CF)

第4Qは2億ドルの資金調達に成功

グラフを見ると第4四半期は財務CFがありえないほど急増していますが、第4Qのわずか数か月の間になんと2億ドルもの資金調達に成功したとのことです。

そして、その潤沢な資金を使って業界で最も効率の良い9万台のマイニングマシーンを購入するというかなり大規模な投資も行っています。

ちなみに、マイニングマシーンは2022年の第1四半期に向けて配備を進めていくとのことですが、数が増えればそれだけビットコインのマイニング効率がUPすると考えられ、更なる業績拡大が期待されます。

収益が悪化したように見えるからくり

このグラフを見て気になることがありました。

ロビン
ロビン

第4Qではビットコイン価格が急上昇したのに、営業CFがマイナスで収益が悪化している・・・どういうこと?

調べてみるとマラソンパテントグループ(MARA)は、資産の多くをビットコインで保有していることが分かりました。
※2021年3月15日時点で、1430万ドル相当のビットコインを保有

つまり、採掘したビットコインを売らず(収益化せず)にデジタル資産として保有するため、営業CFのマイナス分は財務CFに入っていると考えることが出来ます。

ロビン
ロビン

MARAの業績をチェックする際は、単に営業CFがマイナスだから収益が悪いと判断するのではなく、営業CFと財務CFとセットで見ていく必要があるということが分かりました。

財務のプロを雇い収益改善か

2020年10月20日のプレスリリースで、シメオンザルツマン氏の最高財務責任者への就任が発表されています。

ちなみに、このザルツマン氏、マラソンパテントグループ(MARA)に来る前は民間の非営利団体「ラスベガスモノレールカンパニー」の最高財務責任者兼上級副社長を務めていたようです。

ロビン
ロビン

ラスベガスというお金の匂いがプンプンする場所で非営利団体?というのもピンとこないですが、どうやらかなりの実力者のようです。

というのも、ラスベガスモノレールカンパニーのCFOになる前は、2015年から2018年までの3年間「ウェンドーメディアアンドコーナーバーマネジメント」という会社の最高財務責任者を務めていたそうな。

その手腕によって、総コストを140万ドル以上節約し、8四半期連続で25%を超えるEBITDA(ざっくりと言えば利益)を生み出した実績があるようです。

このような実績のある財務のプロを雇うことで、マラソンパテントグループ(MARA)の体制はより盤石となり企業としての安定性も増していくと考えられます。

まとめ

ここまで、ビットコインの大手マイニング企業であるマラソンパテントグループ(MARA)がビットコインのマイニング事業に本気を出し始めた件についてご紹介しました。

今回の内容をまとめると以下の通りです。

マラソンパテントグループ(MARA)の本気
  • 社名を変えてまでマイニング専門のデジタル企業への転換を進める
  • 先を見据えて大規模な資金調達から大型の設備投資を進める
  • 財務のプロを雇い会社としての継続的な成長を視野に入れる

ビットコインの盛り上がりはまだまだ始まったばかりだと思うので、今後もマラソンパテントグループ(MARA)の動向に注視していきたいと思います。

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