新型コロナの影響を受けてカフェは密回避のため座席数を減少させる対応を迫られています。
座席数の減少は売上の減少を意味するため店舗にとっては苦しい状況です。
利用する側も座席数の減少によって待ち行列が増えていて、店の外まで行列が続くということも珍しくないですね。
一方これからの時代、テレワーク(リモートワーク)・在宅勤務が拡大し、平日もカフェのようなリラックスできる環境で仕事や作業に集中したいという人が増えてくると思います。
もし家をカフェ風にアレンジできる「家カフェ」のようなサービスがあれば、在宅で集中して作業に当たることが出来ますしお財布にも優しくなりますね。
ということで、上記のようなテレワーク・リモートワーク向け「カフェサービス」を考えるにあたり、総務省が発表している家計調査からカフェの需要と日本人はカフェにどれくらいお金をかけているのか推測してみました。
テレワーク・リモートワーク・在宅向けの「カフェサービス」を始めようか検討している方には参考になる情報かと思いますので、ぜひご覧ください。
ちなみに、上記「カフェサービス」の適正なサービス価格と付加価値についてはこちらの記事で紹介しているので、興味のある方はご覧ください。
カフェへの支出金額と利用割合はどれくらいか?
出典:家計調査通信第520号(平成29年6月15日発行) 総務省統計局
これは総務省が発表している平成29年の家計調査の結果です。
上の青い線が平成27年を100とした時の1世帯あたりの喫茶代(カフェ代)の実質金額指数。
下の赤い線がカフェ代への支出があった世帯の割合を示しています。
カフェ代への支出金額の推移
出典:家計調査通信第520号(平成29年6月15日発行) 総務省統計局
まずは上の青い線からですが、
支出金額は平成18年から平成24年にかけてやや減少傾向であったものの、平成24年から平成28年にかけては年平均5.3%で支出が増加しています。
仮にその後順調に年平均5.3%で支出が増加したとすると2021年(令和3年)の支出金額は平成28年の27%増となると予想できます。
ちょっと待った!コロナの影響で2020年は支出金額は増加しないのでは?
と思われるかもしれません。
確かにある程度の密が予想されるカフェは、特にご高齢の方は行きづらいですし、緊急事態宣言の期間など外出が制限され、在宅が推奨されました。
一方コロナによって旅行需要が激減し家やその周辺で過ごす人が多くなったこと、テレワーク・リモートワークの普及で在宅時間が増え、時間に余裕ができYoutubeや読書、勉強等でカフェを利用する人が多くなったことも事実です。
よって2021年の支出金額も増加傾向になるとここでは推測しました。
カフェ代の支出があった世帯割合の推移
出典:家計調査通信第520号(平成29年6月15日発行) 総務省統計局
次に下の赤い線ですが、
支出があった世帯割合の推移は平成18年から平成24年にかけておよそ28%でほぼ横ばい、平成25年に1.6%上昇しその後平成28年まで30%弱で推移しています。
お気づきの方もいるかもしれませんが、平成25年に支出世帯割合が増加したのは「アベノミクス」が始動した年で景気回復ムードが高まったことが大きいと考えられます。
平成24年当時の世帯数が5400万世帯(ちなみに2020年は5700万世帯)であり、平成25年にはその1.6%である86万世帯が支出しないから支出するに移ったため、支出金額の大幅な増加にも頷けます。
平成25年から平成28年まで支出のある世帯割合は約30%で推移しており、それ以降大きな経済政策もなかったことから、2021年(令和3年)の支出世帯の割合も約30%と推測しました。
2021年(令和3年)のカフェ代支出金額予想
出典:家計調査通信第520号(平成29年6月15日発行) 総務省統計局
ここまで割合の話が続きましたが、では実際に支出した金額は?
ということで、こちらのピンクの棒グラフが平成28年の曜日ごとのカフェ代支出金額を示したものです。
平日より土日の方が支出が多いことから、時間に余裕がある休日にカフェを多く利用する傾向にあることが分かります。
また「日曜日は明日に備えて家の近くでまったりしたい」と考える人が多いと思われるので、土曜より日曜の支出が多くなった気がします。
また平日は水曜と金曜の支出金額が大きいですね。
これは水曜と金曜に定時退社日を設定している企業が多いことから、他の平日より時間に余裕がありカフェの利用が多いと推測しました。
時間に余裕がある時カフェ代の支出が多くなる傾向にあると言えそうです。
2021年のカフェ代の週間支出金額
出典:家計調査通信第520号(平成29年6月15日発行) 総務省統計局
ピンクのグラフの金額を全て足すと平成28年の平均週間支出金額が求められ、平成28年の平均週間支出金額は120円となります。
コーヒー1杯の価格に満たない額ですね
ここで、2021年はリモートワークの拡大により、平日の定時退社日以外の曜日にも時間に余裕が生まれると想定します。
この場合、仮に平日の平均支出金額を平日の中で最も支出が大きい金曜日の15.3円として計算すると平均週間支出金額は125円となります。
また先の青い線の考察で「2021年(令和3年)の支出金額は平成28年の27%増」と推測しました。
この2つを掛け合わせることで2021年の週間支出金額が求まります。
2021年の週間支出金額 = 125円x1.27 = 約160円
まとめ
ここまで、テレワーク・リモートワーク向け「カフェサービス」が成立するかにあたり、家計調査の結果からカフェ需要の調査を行いました。
結論として、以下の通り推測しました。
今後はこの結果をベースとして、テレワーク・リモートワーク向け「カフェサービス」提供価格やサービスに与える付加価値について検討を進めていきたいと思います。
興味のある方はこちらの記事をご覧ください。
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